ロマンスとひみつ

そこは温泉街の路地に
さりげなく紛れ込んでいる。

不思議に馴染んでいるけれど
異空間であることには間違いない。

図書室で整然と並ぶ本の中に
誰かが不意に入れた
ジャンル違いの本のような違和感と
なぜそこに?という好奇心が
掻き立てられた。
雨が降っている。
期待させるように弱くなったり
途方に暮れるくらい強くなったり。

朝起きてから何度窓の外を覗いたろう?
息苦しさがほんの少しずつ
積もっていく日常を飛び出したくて
旅に出た。

目的地はあの秘密の異空間。
非日常はいつだって、
すぐそこにあるもので
不意に触れてしまうものだ。
そこは、不思議な場所だった。
誰かの秘密の書斎。
ひみつ基地。

時間の流れがズレているような気さえする。
ふいに開かれたヒミツに
足を踏み入れる。


寫眞徒然

日々グラファー柴原佐也加の写真サイト。 例えば、大好きな人にその日のコトを話すように、 記憶と記録を写真に込めて撮っています。

0コメント

  • 1000 / 1000