近所の国のアリス

荊の森を抜けて、
陽の光が当たる場所へ出た。
山茶花に呼ばれるままに先へ進む。
森の先に見えたのは、
時間を止めてしまった遺物だった。
そこにあった物たちを
今でもありありと思い出せる。

藤棚も、UFOの形をした遊具も、滑り台も、
ずっと在り続けるのだと思っていた。
パンダと子鹿はいるけれど、
ラクダはいなくなった。

ただ、
山茶花の花だけは、毎年咲いてくれる。
夢とも感傷ともつかない
小さな旅から戻る。

そこもかつては
「小さな公園」と呼んでいた場所。

ここにはどんぐりの木があったんだ。

寫眞徒然

日々グラファー柴原佐也加の写真サイト。 例えば、大好きな人にその日のコトを話すように、 記憶と記録を写真に込めて撮っています。

0コメント

  • 1000 / 1000