秋霖
雨予報が当たった一日。
窓からの光は弱い。
気温が下がって
布団から出たくなくて
起き出したのは昼頃。
面倒なので、冷凍炒飯を食べる。
そこから、なんだかんだと時間が経ち
ふらりと外に出る。
雨に濡れると
途端に色気が出るアスファルト。
夜が近付くにつれて、色気が増していく。
そして、期待も増していく。
都会の輝く夜はここには無い。
ただ静かに更けていき
時折、思い出したかのように
車が道を照らすだけ。
通り過ぎていく眩しい光に
何かを重ねようとして
それが鮮烈な記憶なのか、
果たせなかった夢なのか、
そのどちらでもない何かなのか、
決めかねてしまった。
ただ、思うのは、
切なさに繋がっているという確信。
冷たい雨に似合うのは、そんなモノ。
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