さよならでなく
夏の頃の感覚で散歩に出掛けてしまう。
夏にはまだまだ明るい時間でも
今は太陽の残り火が薄く空を染めるくらい。
まだ暖かいせいで、
日が長いような気がしてしまうのだ。
そうだカレンダーは
もうとっくに秋を過ぎ
冬に差し掛かっているのだった...。
わかっているはずの日付けが
どうにも体感として染み込んでこない。
何気なく選んだ行き先だったのだけど
大型客船の出港に出くわす。
飛鳥Ⅱだ。
久しぶりに見て、なんだか嬉しくなる。
ゆっくりと港を出て行く飛鳥Ⅱを見送る。
なんとなく
「さよなら」というのは、嫌だなと思う。
「いってらっしゃい」
「またね」
また会うことを
期待する言葉が良いなと思う。
そう思って発する言葉が
最後に交わす言葉かもしれないと思いつつ、
言霊になって叶ったら良いなと思っている。
色んな人の顔が浮かぶ帰り道。
0コメント